「空き家バンクは仙台圏にはない、地方だけ」─ これは事実ですが、仙台から1時間圏の登米市なら通勤需要・移住需要の両方があり、投資対象として十分成立します。登米市の空き家バンクで0円譲渡された戸建の再生事例をご紹介します。
空き家バンクは、自治体が運営する空き家物件の紹介システム。所有者が登録・自治体が仲介(または民間仲介連携)し、移住希望者・投資家に安価または無償で譲渡される制度です。宮城県内では登米市・栗原市・気仙沼市・大崎市・丸森町・七ヶ宿町などが運用中。価格帯は無償〜300万円が中心、登米市の場合、登録物件の約3割が200万円以下、うち1割は0円譲渡(所有者が手放したい物件)という肌感覚です。今回の物件もこの「0円譲渡」枠でした。
登米市中田町・仙台駅から車50分(高速利用)・築52年・木造2階建て・延床72㎡(3DK)・土地65坪・駐車場2台可。前所有者は高齢で県外の子世帯に引取られ、10年間空き家。譲渡価格0円、登記・司法書士費用15万円・固定資産税清算等で諸費用合計25万円。オーナー様は仙台市在住の50代男性で、地方投資は初めて。「空き家バンクは聞いたことがあるが、実際どうなのか」という関心から、弊社で登米市役所の担当窓口同行から改修まで伴走しました。
0円譲渡は魅力的ですが、注意点が4つあります。①物件の瑕疵担保:所有者は「現状有姿渡し」が原則、雨漏り・白アリ・配管漏水は買主が全額負担、②譲渡後の利用制限:自治体によっては「5年以上居住」「売却時の自治体承認」などの縛りあり(登米市は軽微)、③譲渡税:0円でも市場価値があれば贈与扱いで税務申告が必要な場合あり、④近隣関係:10年放置の空き家は近隣からクレームが溜まっていることが多く、改修前に挨拶回り必須。契約前にこれらを1つずつ潰すのが、弊社の関わり方です。
改修費合計320万円。内訳は①屋根全面葺き替え(スレート劣化、80万円)、②外壁塗装+板金修繕(55万円)、③水回り4点更新(キッチン・風呂・トイレ・洗面、85万円)、④給排水配管全更新(凍結破損の跡あり、40万円)、⑤内装フル(クロス・床・建具・照明、45万円)、⑥残置物撤去+庭木剪定(15万円)。10年空き家の物件は水回り・配管の劣化が重く、そこに予算の4割を寄せるのが定石。残置物撤去も侮れない(今回はトラック3台分で15万円)。
取得0円+諸費25万円+改修320万円=総投資345万円。募集家賃5.5万円(年66万円)、地元不動産業者+移住者向けサイト(みやぎ移住ガイド)の2ルートで募集、3ヶ月目に移住希望のリモートワーク家族が入居。表面利回り66÷345=19.1%。経費控除後の実質利回りは14.2%。月手残り約3.8万円。空き家バンク経由は「物件代を最大限圧縮」「改修費に全振り」という投資構造が作れるため、築古戸建の中でも利回りが跳ねるパターンです。
仙台市内と違って「入居者が勝手に現れる」エリアではないので、客付け戦略が命綱。今回は3ルートを並行:①地元不動産会社(登米市内)に媒介、②みやぎ移住ガイド・ふるさと回帰支援センターへの物件情報提供、③ジモティー・SUUMO地方版への自主掲載。最終的にヒットしたのは②の移住ルート。東京都内の30代夫婦がリモートワーク移住先として選択。家賃5.5万円は東京なら考えられない広さ(3DK+庭65坪)で、移住層には強い訴求になります。仙台勤務者の郊外需要も取り込める立地なら2ルート目の候補になります。
空き家バンク投資を検討する方に最初にお伝えするのは「仙台から1時間圏」「駅・バス停・コンビニのいずれかが徒歩圏」「自動車ありきの生活圏であること」の3条件。登米市・大崎市・栗原市・亘理町・丸森町あたりが現実的な候補。逆に気仙沼市・南三陸町は仙台から2時間超で入居者プールが薄く、投資としての難易度が跳ね上がります。また地方は工事業者の選択肢も少ないので、登米市なら登米の工務店、栗原なら栗原の業者 ─ 弊社含め「移動コストを織り込んだ見積もり」が必要です。
「空き家バンクに興味はあるが、何から見ればいいか分からない」「登米市の◯◯という物件、使えるか」といったご相談はLINEで受け付けています。自治体の空き家バンクページURL・物件番号を送っていただければ、①立地評価、②譲渡条件の確認ポイント、③改修見積もり概算、④客付けルートの見立て ─ 一式をお返しします。地方投資は情報の非対称性が大きい領域なので、最初の1件は伴走した方が失敗しづらいです。お気軽にLINEへ。