物件サイトに「利回り12%」と書いてあっても、それは満室・改修費ゼロ・経費ゼロの理想値です。実際に手元に残る数字 ─ 実質利回り ─ は、その6〜7割になることが珍しくありません。
表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100。例えば多賀城市の築28年1棟アパート、価格500万円・家賃3.5万円×4室の場合、年間家賃168万円 ÷ 500万円 = 33.6%。一見すばらしい数字ですが、これは「全室満室・改修ゼロ・経費ゼロ」という現実には起こらない条件下の数字です。物件広告に載る利回りはほぼすべてこの表面値です。
実質利回り(%)=(年間家賃収入 − 年間経費)÷(物件価格 + 購入諸費用 + 改修費)× 100。先ほどの500万円物件で、購入諸費用50万円・改修費200万円・年間経費40万円・空室率20%を見込むと、年間実収入168万 × 0.8 − 40万 = 94.4万円。総投資額750万円。実質利回りは94.4 ÷ 750 = 12.6%。表面の33.6%が、現実には12.6%まで圧縮されました。それでも宮城の築古帯としては悪くない水準です。
①給排水配管の更新履歴(築30年超なら200〜400万円の更新コストを覚悟)。②屋根・外壁の塗装履歴(10〜15年周期、未実施なら100〜200万円)。③直近3年の入退去記録(空室期間が長ければ実空室率は20%超)。④管理費・修繕積立金(年間家賃の10〜15%が目安)。⑤近隣の競合家賃(自分の想定家賃が現実的か)。これらを確認せずに表面利回りだけで判断すると、買った瞬間に赤字物件を抱えることになります。
・仙台市中心3区(築15〜25年):表面8〜10% → 実質6〜8%。改修費は抑えめだが価格が高い。 ・仙台市周縁+多賀城・名取(築25〜30年):表面12〜15% → 実質9〜11%。バランス型。 ・県北(大崎・登米)築30年超:表面18〜25% → 実質10〜13%。改修費と空室損が重く、表面の半分以下になりがち。 表面の数字だけ見て県北に飛びつくと、改修費と入居付け苦戦で実質が一桁前半になるケースも見ます。
築古物件で実質利回りを上げる最大のレバーは「改修費の精度」です。同じ50万円の予算でも、内見時の第一印象に効く工事(アクセントクロス・照明・水回り部分補修)に集中すれば、家賃を3,000円上げて実質利回りを1〜2%押し上げられます。逆にフルリフォームで200万円かければ、回収に5年以上かかることも。改修箇所の取捨選択が利回りの質を決めます。
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