家賃収入には当然税金がかかりますが、「何をどこまで経費にできるか」を知っているかどうかで、手残りが年間数十万円変わります。宮城で大家を始めた方向けに、確定申告の実務を整理します。
不動産所得は「総収入金額(家賃・礼金・共益費など)」から「必要経費」を引いた金額。ここに給与所得と合算して総合課税されます。サラリーマン大家の場合、不動産所得が赤字なら給与所得と損益通算して税金が還付されるのがメリット(ただし土地購入時の借入金利子は損益通算の制限あり)。黒字なら給与と合算で税率が上がるので、経費と減価償却で適切に利益を調整する設計が重要です。
建物価格を法定耐用年数で毎年経費化するのが減価償却。木造アパート22年、軽量鉄骨27年、重量鉄骨34年、RC造47年が新築時の耐用年数。中古物件は「(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数×20%」で計算します。例:築25年の木造アパート→(22−25)+25×0.2=5年(4年以下は最低4年)。建物価格500万円なら年間100万円が減価償却費。これが「現金支出なしの経費」なので、手残りキャッシュフローを増やす最強の武器です。
青色申告(事業的規模)なら65万円控除+家族給与を経費計上可能。白色申告は簡易だが控除10万円のみ。事業的規模の判定は「5棟10室基準」(アパート10室以上 or 戸建5棟以上)。この基準に届かなくても、簿記・帳簿を付けて電子申告すれば青色55万円控除は受けられます。初年度から青色を選ぶと、将来規模拡大した時にスムーズ。青色申告承認申請書は開業から2ヶ月以内 or その年の3月15日までに税務署に提出します。
経費にできる:①修繕費(原状回復・設備交換)、②管理委託料、③固定資産税、④火災保険料、⑤借入金利子(建物部分)、⑥減価償却費、⑦税理士報酬、⑧物件視察の交通費・宿泊費、⑨司法書士報酬、⑩通信費・書籍代の按分。 経費にできない:①借入金元本返済、②自宅と共用部分の生活費、③プライベート旅行、④土地購入時の借入金利子(損益通算の制限)。 グレーゾーン:車両費(物件管理で使う割合だけ按分)、接待費(投資家交流は業務関連性を説明できれば可)。
「修繕費=一度に経費」/「資本的支出=減価償却で分割」の境界で税金が変わります。原則:①20万円未満なら修繕費、②60万円未満で通常の維持補修なら修繕費、③用途変更・耐用年数を延ばす工事は資本的支出。例:クロス張替30万円→修繕費、屋根葺き替え200万円→資本的支出(建物耐用年数で分割)、給湯器交換15万円→修繕費、リビングを追加する増築→資本的支出。判断に迷ったら「元の機能を回復する工事か、価値を増やす工事か」で線を引きます。
家賃収入の証明:①通帳コピー、②管理会社の収支報告書、③賃貸借契約書。経費の証明:①領収書すべて、②クレカ明細、③銀行振込控え。不動産取得関連:①売買契約書、②重要事項説明書、③登記簿謄本、④固定資産税評価証明書、⑤ローン返済予定表。これらを年度ごとにファイリングし、freee or マネーフォワード等の会計ソフトに入力すれば、確定申告書は半自動で作成できます。初年度は購入諸費用(仲介手数料・登録免許税・不動産取得税)も経費計上できるので、領収書を1枚も捨てないのが鉄則です。
・物件1〜2戸、青色55万円控除まで:会計ソフトで自力対応が現実的(年間コスト3,000〜5,000円)。 ・物件3戸超 or 法人化:税理士依頼が合理的(月額顧問料2〜5万円、決算料10〜20万円)。 ・物件5棟10室超:税理士必須。法人化+節税設計を税理士と組み立てる段階。 宮城で不動産特化の税理士は仙台市に10〜15名程度。「大家専門」を名乗る税理士は、減価償却・損益通算・法人成りタイミングに詳しいので、自力申告の卒業タイミングで探すと良いです。
弊社は税理士ではないので申告代行はできませんが、「この修繕は経費か資本的支出か」「この物件の減価償却年数は何年か」「青色申告いつから切り替えるべきか」といった判断の壁打ち相手にはなれます。内装屋の立場で年間数十件の物件の修繕・改修を見ているので、税務上の切り分けの肌感覚には自信があります。申告が不安な方は、お気軽にLINEへ。